WELQ問題から、インターネットにおけるコピーライターのあり方を、ちょっとだけ考えてみました。


DeNAが「WELQ騒動」で会見、「成長優先、認識が甘かった」、守安社長らが謝罪

昨年末、ネットを震撼させたDeNAの不祥事ですが、何が起きているのかよくわからなかった人も多いのではないか思います。

 

WELQが炎上・閉鎖するまでの、簡単なまとめ

ネットでのアクセスを集める新しい手段(=グーグルの検索で上位表示させる)として、「NAVERまとめ」に代表されるキュレーションメディア(まとめサイト)が注目を集めます。

そして、サイト制作が比較的簡単にできることと、その効果の確かさで、集客(=集金)目当てのキュレーションサイトが乱立。

キュレーションサイトの運営元は、まとめサイトにリンクを貼る関連記事を増やすため、ライターに記事を外注しはじめるのですが、そこで使われるのがクラウドワークスやランサーズといった、クラウドソーシング会社。そこで、1記事500円からという安価で記事が発注されていきます。

1記事500円、まともに書いていたら割が合うわけがありません。そこで、短時間でネット記事を仕上げるテクニックとして、ネットのライター間では、他のサイトのコピペ(コピー&ペースト)、リライトが推奨されていきます。

そうして作られた記事のほとんどが、基本的に盗用である上に、知識がないまま引用したがために間違った情報となってリリースされていきます。

というわけで、ちょうどキュレーションサイトに対して、ネット上でのモラルの低さが問われはじめていたところに、満を持して医療情報のまとめサイト「WELQ」が登場。

医療情報という、薬事法に則った、かなり神経を使う情報を扱うサイトにもかかわらず、コピペ・リライトで粗製濫造・ねつ造された記事が大量に並び、しかもそのクオリティが圧倒的に低く、薬事法違反も甚だしい上、間違いだらけ。

ところが、運営元のDeNAが金にものをいわせて大量の記事をそろえたため、あっという間に検索の上位表示を独占することになります。

Googleの検索でも、粗製濫造された記事ばかりのまとめサイトの評価を下げはじめていたようなのですが、間に合わず。

もちろん、医師など専門家からの批判もあってネット上で炎上するのですが、ここで真っ先に反応したのが、優良サイトを運営しているブロガーたち。

記事の内容をブラッシュアップすることで検索上位に表示されていた記事が、ある日突然、中身の薄っぺらなコピペ記事に抜かれてしまったわけです。

日頃から自分の記事が盗用されることも多く、コピペ・リライトがはびこるネット記事の質の低下を憂えながらも、検索する人にとって有益な記事を書くことに力を注いでいたブロガーをあざ笑うかのように、金にものをいわせて質の低い記事を大量にばらまいたわけだからタチが悪い。

DeNAは、インフルエンサーを含むすべてのブロガーを、一瞬にして敵にまわしてしまいました。それでネットビジネスなんて、もはや続けられるわけがありません。

はじめは、すべての記事を専門家にチェックさせるという告知をしていましたが、程なくして、WELQだけでなく、DeNAが運営していたすべてのキュレーションサイトが閉鎖に追い込まれてしまいました。

キュレーションサイトの中でもかなり成功・浸透していた女性向け情報サイト「MERY」まで閉鎖になるとは思いませんでしたが。

 

ネットにおける情報発信の責任

WELQに関しては、DeNAというまっとうなはずの企業が、ブラックハットと呼ばれる悪質なSEO対策(=詐欺)を行ったことが一番の問題点なのですが、そこには現在のネットが抱えている大きな課題が浮き彫りにされています。

ネットの8割は文字情報。そしてその文字(=文章)を書いているのは、個人からブロガー、自称ライター、記者、コピーライター、取材ライター、専門ライター・・・と玉石混淆。

そして、ほとんどのコンテンツが商用として発信されています(個人的なブログですら、アフィリエイトで利益をあげることを目的としています)。

というわけで、お金儲けに走るが故に、ブラックハットとわかっていて検索の上位表示を狙うサイトが未だに後を絶たない上に、勉強不足のにわかライターが増え、情報(=文章)に対する責任感が薄れてしまっています。

DeNAですら、クラウドワークスやランサーズといった、コピペライターが集まるクラウドソーシング会社を平気で利用してしまったわけですから(どちらもDeNAの問題の後にコピペ禁止にしましたが)。

今後、そういった質の低い情報は、DeNAのように淘汰されていく潮流にあるのは間違いありません。

ライターの地位を下げないためにも、ネット上にあふれる商用コンテンツの品質・信頼性を、リアルな広告現場と同等くらいにまで引き上げていくことが、コピーライターが担う責任のひとつなのでははないかと思っています。