親不知を、ついに抜歯した。
今後親不知の抜歯を検討している迷える子羊のために
私のこの貴重な経験をこのブログに書き記しておこうと思う。
前回のブログに書いたが、わが親不知はいかつい生え方をしていた。
レントゲンを見たところ、太めの親不知が歯茎の中で、それはそれはどや顔で横たわっていた。
働きもしないデブニートが、俺の歯茎で寝そべりかましている。
余談だが、英語で親不知はwisdom teeth(英知の歯)と呼ばれているらしい。
勝手に生えてきて、勝手に虫歯になっているこいつのどこに一体そのようなインテリジェンスがあるのだろうか。。。
抜歯までの1週間は憂鬱すぎる毎日。こんなちっさい白い塊になぜこんなに悩まされるのか。歯の分際でほんとに生意気である。
歯の抜歯のため有給届を出す際、初めて有給届よ、受理されるなと祈った。
仕事を言い訳にして手術からエスケープをかませないものかと思ったのだ。
社長はその願いを踏みにじるように満面の笑みで有給届を受理し、「めっちゃ痛いらしいよwww」と私の心にミサイルをぶち込んで去っていた。
そして手術当日。
大学病院では受付で担当医の名前が書いた紙が渡される。
ここでこれから抜歯をする子羊たちにこれだけはするなということを教えたい。
担当医の名前をググることである。
そう、私はしてしまった。不安のあまりググったのである。
ヒットした記事にはこう書いてあった。
「2021年〇〇大学 歯科研修に参加した学生の声」
おぃいいいいい!!去年までスチューデントやんけ!
やべぇこれはやべぇ。俺は今、若き才能を育てるための経験値になろうとしている。
教材やん?俺。俺今ニューホライズンじゃん。
いや待てよ、若き天才という可能性もある。学生の分際で「教授それ違いますよ?ww」とか生意気かます、いけすかないジーニアスであれ!と記事を読み進める私。
「プログラムについていくのに必死でした!ここでの経験を生かして立派な医師になろうと思います☆」
おぃいいいいいい!!必死についていくな。むしろ追い越せ。「自分にできることばかりで正直退屈でした」ぐらいのこと書いててくれ。
だがいい子。間違いなくいい子。
「俺は君のニューホライズンになるよ」
覚悟決め手術室へ。
すると彼は言った。
「絶対痛くなく抜くので安心してください!」
お前この一年で何があった?頼もしくなりやがって。
わかった、、、こいつのことはお前に任せるぜ。。。。
未来ある若者が今俺の口の中で工事をしている。
何をされているのか全く分からない。ただ大変なことが起こっているのはわかる。
だってすごい音なんだ。きゅぃぃぃぃん!ゴリっごりっ。
口の中にビルでも建てるのかい?そんな音である。
「痛くなったら手を挙げてくださいね」
優しく語りかける若き才能。
「ふぁぁい!」秒で手を挙げる31歳の教材。
手術は一時間くらいで終わった。
結果思った以上に痛くなかった。そしてこれを書いている現在までの経過も良好ある。
あいつはこの一年ですごく成長していた。
マジでお前はすごい歯医者になる。知らんけど。
皆様も親不知は早めに抜きましょう。