落語に学ぶ、伝える力。

こんにちは。先日のニュースになりますが、上方落語復興の祖であり、人間国宝でもあった桂米朝さんが逝去されました。一落語ファンとして、この訃報はただ悲しいというだけでなく、ひとつの時代の終わりを感じ、何とも感慨深いものがありました。

大学時代のはじめに落語にふれて以来、お笑いかつ芸能のひとつとして江戸・上方問わずさまざまな噺を聞いてきました。もちろん基本的には聞く専門なのですが、ひょんなことから無謀にも友人の結婚式で、一席披露したこともあります(笑)。

落語の魅力は、「何もないから、何でもある」ところ。舞台セットはもちろん、特別な衣装や小道具もなく、着物を着て座布団の上で話すという行為だけで、客を落語の世界に引き込み、脳内にストーリーを想起させ、ときに笑わせ、ときに感動させてしまう部分にあります。その凄さは、決してテレビでは伝わらず、生で体感してこそ。落語会や寄席に行くたびに、落語家の伝える力を感じます(もちろん人によって腕の良し悪しはありますが…)。

この「何でもないから、何でもある」というのは、広告にも通じるところ。最近はなかなか見かけることはないですが、ビジュアルがほとんどなくコピーだけで成立している広告に出会うと、この落語的な魅力を感じてしまいます。言葉だけでターゲットの心に動かすことは、コピーライターとしては理想の境地。いつかコピーだけで勝負できる人になるために。今はまだまだ修行中です(笑)。

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