京極の夏。

CD佐藤です。
京極夏彦著、百鬼夜行シリーズ10作目となる「鵼の碑」が、9月14日に発売されます。 

1994年発売のデビュー作「姑獲鳥の夏」一冊で、当時流行っていた、島田荘司を始祖とする、綾辻行人、有栖川有栖、麻耶雄嵩といった新本格ミステリー作家たちをぶっちぎりで抜き去った京極夏彦。

元々グラフィックデザイナーをやっていて、仕事が空いた時間に「姑獲鳥の夏」を書いて、出版社に持ち込んだら即発売となったという話を聞いて、「“書く”ことでコピーライターがグラフィックデザイナーに負けるわけにはいかない」と、当時一瞬思いはしたものの、とても真似できるものではありませんでした。
コピーライターから小説家になった人には、開高健、山口瞳、林真理子、石田衣良、中島らも、原田宗典、内田康夫、奥田英朗と、錚々たる顔ぶれが揃っていますが、グラフィックデザイナーから小説家になった人は、京極夏彦くらいしか知りません。

「姑獲鳥の夏」の発売以降、コンスタントに作品を発表しつつも、百鬼夜行シリーズの新作は、2006年に発売された「邪魅の雫」以来17年ぶりになります。

いや〜、長かった。
大瀧詠一の「ロングバケーション」から「EACH TIME」までの3年間(その後亡くなるまでの30年間待ち続けたけれど新作の発表はありませんでした)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」1から3まで5年間
「スターウォーズ」エピソード4〜9までの42年間

「邪魅の雫」発売時に、すでに「鵼の碑」というタイトルは発表されていて、その後何度も発売されるという噂が立ちましたが結局発売されることなく、その間に幾つかの他シリーズを書き続けており、もうこのまま発売されることはないのかなぁとすっかり諦め忘れていたところ、突然9月14日発売という情報が発信されました。

即amazonをチェックして購入予約。

というわけで、シリーズ1作目から読み直し計画が発動されました。

「姑獲鳥の夏」以降、シリーズ全作揃えていたのですが、引越しで処分。
しばらく経って再読したくなって改めで文庫で揃えたのですが、またまた引越しで処分。
寂しくなった本箱に再びシリーズを並べたくなって三たび買い揃えたものの、やっぱり引越しで処分。
百鬼夜行シリーズは1000ページを超える作品が多く、「レンガ本」「サイコロ本」と呼ばれるくらい分厚いので、
引越しのたびにミニマリストになっていく私にとって、毎回処分の対象になってしまいます。

そこで今回は、電子書籍で揃えることにしました。

ところがこの百鬼夜行シリーズ、もともと1冊で出ていた本が、文庫で再々販された際に3〜4冊の分冊版として発売され、
電子書籍もなぜか無駄に分冊版。10冊分のデータで済むところが28冊分のデータになってしまい、ちょっと割高。ブックリーダーの本棚もかなりしょぼい。

とはいうものの読み始めてみると、やっぱり面白い。30年前初めて読んだ時に感じた活字のパワーを改めて感じています。
読む速度も上がってきたので、なんとか9月14日までに、シリーズ全作読破したいと思っています。

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